金利の変動要因としてもっとも密接に関係しているのが景気です。
景気がいい時期には個人の購買意欲が湧き、また企業においても新たに設備投資をするなどの動きが見られます。そのような時期には個人の給与も上がり消費活動が盛んになりますが、特に高額の物がよく購入されるようになります。これは企業にも当てはまり、個人の消費活動が盛んになることで売り上げがあがり、その利益によって新たに設備投資などを行います。
その際には個人であれば銀行のローンを組み、企業は銀行からの融資を受けることになります。しかし、社会全体の消費活動が活発な時期にはお金が消費活動に消えてしまうため、なかなか預貯金として銀行の元に集まらなくなってしまいます。その結果、融資における需要と供給のバランスが崩れてしまい、銀行側としては融資に回す資金を集めるために預貯金の利率を上げることになります。
また、反対に景気が落ち込んでいる場合には、日銀によって利率が引き下げられることになります。預貯金の利率が引き下げられることによって、個人が預貯金をすることに対して意欲を感じなくなり、その分が消費活動にまわされ景気が上昇するからです。また、利率が下がったことによって企業も設備投資などを行いやすくなり、このことも景気の上昇に大きな影響を与えるからです。