公定歩合という名称は、基準割引率及び基準貸付利率という名称に変更になっています。これは金融の自由化が大きく影響しています。国が金利を決定していた時代から、金融自由化によって金利は市場の需給で決められるようになってきたからです。このために市中金利の中心を意味していたものが、意味をなさなくなってきて上限金利を表すものでしかなくなってしまったからです。以前はこの利率で市中銀行の利率が決定されていました。上がれば一般銀行の利率も上がって、下がれば一般銀行の利率も下がります。国が決定していた金利で銀行の金利が決まっていたといえます。しかし金融自由化のあとは、自由金利を中心に金利が決定されるようになったため全く意味をなさなくなっていました。現在の金融政策は公開市場操作と呼ばれるもので、金融機関が資金のやり取りをする短期金融市場の金利を誘導する方式に変わっています。これにより他の市場の金利や、金融機関の貸出金利に影響を与えるようになっているのです。これによって企業や個人の活動に大きな影響を与えることが大きな目的になっています。ですからこの名称の意味合いが全く現在の金融操作では行われていないため、名称変更に至っています。